シンポジウム「生物多様性と農業」(ACT12)

日時:2006年11月25日(土)10:00~18:00
場所:東京大学農学部弥生講堂 一条ホール
アグリコクーン生物多様性・生態系再生フォーラムグループ
平成18年度 冬学期 農学生命科学研究科 大学院 共通科目(演習:1単位)

経済性と効率のみの追求による農業形態の変化の中で、急速に不健全化を進めた農業生態系。 その中で、社会と生態系を再生し、自然と調和のとれた人間社会を築こうとする流れは、世界的潮流である。日本でもその萌芽が見られはじめている。2005年11月、ウガンダで開催された第9回ラムサール条約締結国会議において、世界有数のマガンの越冬地である宮城県「蕪栗沼・周辺水田」が条約登録湿地となった。「水田」を明確に湿地として位置づけ、保全対象としたのは、世界にも類をみない画期的事例である。また同年9月には、兵庫県豊岡市において、農業生態系の頂点に位置する「コウノトリ」が、野生復帰に向けて放鳥された。
これらの取り組みの中核を担うのが、生物多様性の保全と矛盾しない新しい農業システムの構築である。健全な生態系・人間社会の基盤構築にむけたこれらの取組みには、農家・行政・産業・研究者など、さまざまな主体の協働が不可欠である。各地の先進的な事例をご報告いただき、その後、学生を交えたディスカッションを行いたい。

プログラム
イントロダクション
鷲谷いづみ
(東京大学大学院農学生命科学研究科)
基調講演:
「コウノトリとともに生きる ~豊岡の挑戦」
佐竹節夫
(豊岡市コウノトリ共生部コウノトリ共生課長)

各地で進む「人と自然の共生」に向けた取組み
「ふゆみずたんぼ(宮城県・旧田尻町ほか)」
呉地正行
(日本雁を保護する会 会長)

「魚のゆりかご水田プロジェクト(滋賀県・琵琶湖)」
田中茂穂
(滋賀県 農林水産部)
「地域づくりとしての循環型農業(新潟県・旧笹神村」
石塚美津夫
(ささかみ農業協同組合)

「人と自然の共生を目指した農業」の農学的立場からの可能性
「株式会社アレフの取組み」
庄司昭夫
(株式会社アレフ 代表取締役)
「生き物調査が世界を変える」
原耕造
(全農SR推進事務局長)
「パルシステムの産直活動」
田崎愛知郎
(パルシステム連合会)
パネルディスカッション


◆対象
上記の授業は修士課程および博士課程の学生を対象にした農学生命科学研究科の共通科目です。研究科共通科目の単位は、研究科の規定により課程修了に必要な単位として加えることができますので、便覧等で条件を確認してください。

◆受講登録方法・登録受付日
履修を希望する学生は平成18年10月16日(月)~10月20日(金)に学生サービスセンター内の大学院係で受講登録を行ってください。

◆募集人数
50名

◇問合せ先
内容に関して:
保全生態学研究室 菊池
履修に関して:
産学官民連携室まで