松前重義記念基金学術セミナー・東海大学海洋学部公開シンポジューム
第6回ラオス養殖研究会・第3回海洋資源と地域文化研究会/東京大学大学院農学生命科学研究科国際農業と文化ゼミナール(ACT11)

「アジアモンスーンの水と人」(ACT5)

日時:2006年11月19日(日)10:00~17:00
場所:清水マリンビル6階 大会議室 100名程度
 (ポスター発表:マリンビル6階 中会議室)
主催:松前重義記念基金,東海大学海洋学部、東海大学総合研究機構、総合地球環境学研究所,東京大学大学院農学生命科学研究科,海洋資源と地域文化研究会,ラオス養殖研究会、
背景と目的:

 大陸と海洋の暖まりやすさの違いによって,夏は海洋から大陸へ湿った風が吹き,冬は大陸から海洋へと乾燥した風が吹く。この大陸と海洋の調和によって作り出される季節風(モンスーン)は,アジア地域に世界でもまれに見る豊かな自然をもたらしてくれる。この豊かな自然に恵まれたアジアモンスーン地域では,人々が古くから自然と調和した生活を送り,独自の文化・文明を築いてきた。しかし,最近の国際化・近代化の波がこの地域にも大きな影響を及ぼしており,地域文化と人々の暮らしを大きく変化させてきている。
 このアジアモンスーン地域への国際化・近代化の波は,我々日本人と無関係ではない。現代日本は,アジアで生産された食料を大量に輸入し,工業製品の生産拠点をアジアにシフトしてきている。アジア地域の近代化に対して巨額のODA予算を投入もしてきている。反面,我々日本人は,同じアジアに暮らしながらどれだけアジアモンスーンの自然とそこで暮らす人々の生活を知っているだろうか。欧米の暮らしぶりはテレビドラマや映画でも馴染みがあるが,アジアの人々の生活については,旅行先で出会うあの屈託のないやさしい笑顔しか頭に浮かばない。
 今回のシンポジュームでは、アジアモンスーン地域を研究活動のフィールドとして活躍されている方々に,メコン川流域の特色ある生態環境と人間との関わり方について話題を提供していただく。アジアモンスーン地域への理解を深めると供に,日本を含めたアジア地域独自の文化と価値観,アジア的な豊かさとは何か、そして、地域の人々が切り開いていく、これからのアジアに対して、我々はどのように関わっていけるのかを追求する場を提供できればと期待している。
◆テーマ:本シンポジュームでは次の3つのテーマを設定いたしました。

テーマ1:水と人の関わり (水をベースとした自然環境と生物資源,それを利用する人間とその文化について)

基調講演 1 秋道智彌
「村の掟とメコン河の魚ーラオス南部の資源管理をめぐって」
基調講演 2 黒倉壽
「アジアの水産業・現状と将来展望」

テーマ2:メコンに生きる (メコン川流域における,フィールド研究の現状と現場から見えてきた人々の生活・産業・風習などについて)

パネリスト1 大西秀之(総合地球環境学研究所)
「天の恵みと人の恵み:北タイにおける資源管理のロジック」
パネリスト2 堀美菜 (東京大学大学院農学生命科学研究科)
「カンボジア人の暮らしと漁業」
パネリスト3 池口明子 (名古屋産業大学)
「ベトナム・メコンデルタの貝類生産の変容」

テーマ3:アジアの川と海 (自然と調和の取れた生産活動とはどのようなものか,アジア的な豊かさとはどのようなものかを具体的なフィールド研究例を元にコメントいただき,会場を含めディスカッションを行う)

コメンテーター 関いずみ (財団法人 漁港漁場漁村技術研究所)
コメンテーター 上野信平 (東海大学海洋学部)

◆ポスター発表 (マリンビル 6階 中会議室,11月19日 13:00-13:30)

アジアの地域文化と水の関わりについての研究課題 10-15題のポスターを募集し,当日昼休み中に発表を行う。ポスターの大きさは 一人 A0・1枚とする。 分野や手法などに制限は設けないが,未発表内容であること。日本語での発表であることを条件とする。
なお,ポスター会場には,東海大学海洋学部の宣伝ブースを設ける予定。ポスターで3枚程度を予定。

シンポジウムの構成

本シンポジウムでは、セッション毎に口頭発表(アブストラクトを用意)と意見交換を行います。また,アジアモンスーン地域での活動についてポスター発表を行います。
10:00開場 受付
10:20-10:40オープニングセレモニー (石川・田口)
10:40-11:30セッション1 講演1(秋道智彌)
11:30-12:20セッション1 講演2(黒倉 壽)
12:20-13:40昼食(ポスター発表13:00-13:30)
13:40-14:00セッション2 講演1(大西秀之)
14:00-14:20セッション2 講演2(堀 美菜)
14:20-14:40セッション2 講演3(池口明子)
14:40-15:00セッション2 ディスカッション
15:00-15:20休憩
15:20-15:35セッション3 コメント(関いずみ)
15:35-15:50セッション3 コメント(上野信平)
15:50-16:30セッション3 ディスカッション
16:30-16:40クロージングセレモニー(石川・田口)